ガラスの博物館

The Glass Museum

ガラス博物館

真空

ネットをさ迷うと、大概、宇宙の始まりはビッグバン、たまにその前のインフレーションから始まるところが多いようです。それで良いのか?
自問自答の末、真空から書き始めることにしました。

宇宙の誕生から書きはじめるのではなく、誕生のその前から書き起こすのが筋かなと思うに至った次第です。風呂敷は大きく広げましょう。

無とは

ここで、哲学や禅問答に深入りする気はありません。 宇宙が生じたとしたら、その前はどの様な状態であったか? 文字通り何も無いとしたらそれはどの様な状態であったか? ということについて考えて(先人の考えをなぞって)見たいと思います。
と考えていたのですが、このペースではなかなか先へ進まないので、さくっと進んで、細かいことは後回しにします。

古典的には、無とか真空は"何もない"状態でしたが、現代物理学では、"エネルギーが最低"とされています。この定義は古典的な真空を変えるものではありません。何かが古典的にある状態と古典的にない状態を比べてみれば、後者のエネルギーのほうが低いからです。この古典的というのはとても引っかかる言葉だと思います。一般に科学的と思われているのが古典的といってしまいましょう。現代の物理、量子論的物理を非科学的に表現すると「マグルが気がつかなければ魔法もOK」ということでしょうか。量子論には、古典的に受け入れがたいものがあっても、実験結果に問題(実験的に矛盾)がなければ、理論的に正しいということです。具体例については後日のお楽しみ。

揺らぎ

量子論にはよく出てきます。乱暴に言えば、見つからなければ何でもあり。いろいろな揺らぎがありますが、観測にかからなければ存在していてもいないことになります。 実際に何かが揺れているよりは、映画 バック・トゥ・ザ・フューチャーで主人公マーティが消えそうになって薄れてる感じでしょうかね。量子はちょびっとの意味だと思って1%以上正しいです。

真空揺らぎ

真空揺らぎを許すために量子論的な真空があるといったら言い過ぎでしょうか。"エネルギー最低"の状態は、虚無でも、静寂の世界でもなく、観測にかからない出来事がいろいろと起こっています。よく知られているのは電子−陽電子の対生成−対消滅です。1.02MeVのエネルギー(光, γ線)と等価な物質は電子−陽電子の対で、これらは相互に変換可能です。理論的に観測可能なエネルギーは時間と深くかかわっています。観測されれば確定、観測できなければ不確定なので不確定性原理から導かれる極短い時間だけ何かが起こっていても許されるわけです。こように短寿命で観測できない粒子を仮想粒子と呼びます。さて、もぐらの決して出てこないもぐら叩きが古典式真空です。目にも留まらぬ速さで、モグラの幽霊がヒョコヒョコ頭をのぞかせるもぐら叩き。それが量子論的真空。真空揺らぎの世界です。でも決して得点できないという点で量子論と古典論は矛盾しません。


---------------以下書きかけ 未来のお楽しみ------------------
時空間 この真空の問題について学ぶべき先人はディラックです。(ガラスには名前はどうでもいいのですが、これを機に興味を持った方がご自分で調べられるように、随所にKey Word を織り込みます。興味のない方はわからない名詞はそのまま読み飛ばしてくださって結構です。)でもその前に少し脱線しておきます。
右手に林檎1つ。左手に林檎2つ。合わせ林檎は数えて見ると3つあります。 林檎100個入の木箱が100個。りんごの数を1つずつ数える人はあまりいないと思います。
1%の複利で100万円の定期預金をすると10年後にいくらになるか? 10年待っている人はいないですよね。ささっと計算しますよね。じゃあ120%複利で10年後に返すから100万円をという話の結末は計算できるでしょうか?
この寓話は物理と数学の関係の一例を表していると思うのです。

話をディラックに戻します。 相対論的量子力学がなんだかわからなくても、相対論と量子力学が合わさったものだということはわかります。それで十分です。相対論を理解する必要はないんです。宇宙旅行とか原爆と関係ありそうねで十分です。量子力学を初めて聞く人も安心して下さい。量子力学に馴染みがないのは、量子力学は微小な世界の法則だからです。どの位に微小な世界かといえば知らなくても困らないくらい微小な世界。最先端の超LSIとかでは話題になっていますが、今売っているペンティアムではまだ無関係と言い切ってしまいましょう。
さて、これだけ説明すれば、日常生活とは全く無関係な世界の理論であることはわかっていただけた(説明するまでもなかったかな~_~;;)と思います。
さて、天才デイラックも相対論的量子力学を打ち立ててデイラック方程式を計算した結果に悩んだと聞きます。計算はあっているけど、この結果に意味はあるの?? その解とは負のエネルギーです。

さて、ここらで脱線しておきましょう。 昔、「1万フランの借金に500フランの借金をかけて、それがどうして500万フランの財産を持つことになるのか」という迷言を残されたスタンダールというお方がいらっしゃいました。どなたか私に代ってお仕置きじゃなかった、簿記を教えてあげてください。
スタンダールさんには納得が行くまで10,500個の林檎を数えてもらうことにしましょう。同じフランスに、もっと昔にデカルトという人がいて、「我思う故に我あり」と言っただけでなく負の数に対して考えていました。
負とはなんでしょう?例えば物指しを持ってきましょう。ゼロから右へ1cm進むと1という数字があり、2cm進むと2という数字があるとします。+1ということは右へ1cm進むことであるとしたら-1は左へ1cm進むことを意味するでしょう。

さて、直感しやすく理解しやすい空間で正負を見てきたところで、次にエネルギーの正負を考えてみましょう。


---------------取り敢えずここまで------------------
もう一つ、私たちの日常の直感というものは案外正しいものです。例えば,倍率2倍の虫眼鏡と倍率100倍の顕微鏡。手軽に使えて安価なのはどっちでしょう。1万ボルトの電子顕微鏡と100万ボルトの電子顕微鏡。電子顕微鏡とはなんなのか、何が100万ボルトなのかわからなくても、よく見えそうな方はわかりますよね。 ダ・ビンチ・コード 反物質